ホンダの軽トラックの性能、技術
今や押しも押されぬ自動車メーカーに成長した『技術のホンダ』。
最近は、ついに、創始者「本田宗一郎」の念願でもあった飛行機を発売し、航空分野にも乗り出しました。
当時のホンダに技術料がなかったのではありません。敗戦後、日本はGHQによって飛行機製造を禁止されていたのです。技術がありながらも作れない。本田宗一郎の悔しさは、いかばかりであったでしょう?
自動車ではF-1にまで参戦していたホンダですが、最初は言うまでもなく二輪メーカーです。二輪も二輪、自転車にエンジンをつけたようなもので、見た目も理屈もまさしく『原動機付き自転車』。
それからの「バイクのホンダ」の栄光は語るべきにもないでしょう。
そんなホンダが、1963年、満を持して4輪の世界に投入したのが、日本初のツィンカムエンジン(DOHC)搭載車!『T360』。なんと軽トラックでした。
ツィンカムエンジンと言えば、今やスポーツ車の常識ですが、かのスカイラインでさえも、一時期まではGT-Rにしか積まれなかった高性能エンジン(普通のバージョンはシングルカム=SOHC)。
それを、惜しげもなく、軽トラに積むとは、さすが「技術のホンダ」。しかも1963年です。
実際、これ以降、軽トラはむろんのこと、ツィンカムエンジンを積んだ軽自動車はバブル期まで登場しませんでした。
これはホンダが、オートバイの販売網しか持っていなかっための「苦肉の策」であったようですが、当然ながら軽としてはダントツの性能。
小型車まで含めても圧倒的に速かったのですから。
普通車をもぶっちぎる軽トラ。なんか痛快ですね。